【ニューデリー時事】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが支配している各地で、女性のスマートフォン所有禁止や
男性の散髪やひげそりの制限など、市民への規制を強化している。地元メディアによると、タリバン暫定政権の
文化情報省は、一連の規制について「省が公式に出したものではない」と否定しているが、地元住民はタリバンの
暴力を恐れ、従うしかない状況だ。

　東部カピサ州の部族の長老は２７日、取材に応じ「タリバンが通達で、女性のスマホ所有を禁じた。家族の
男性同伴でなければタクシーに乗ることも禁止された」と証言した。男女ともにスマホに音楽を保存することも禁じられた。
イスラム法に基づく規制と主張しているという。

　また理髪店に対しては、男性のひげそりを禁じたほか、タリバンが「米国風やフランス風」と見なした髪形を禁止した。
地元のイスラム法学者によれば、タリバンは２４日、金曜礼拝後にモスク（イスラム礼拝所）で拡声器を使い、
通達内容を市民に伝えた。南部ヘルマンド州、北部タハル州でも同じ通達が確認されている。

　タリバンは２００１年に崩壊した旧政権時代、極端なイスラム法解釈で音楽や芸術といった文化的活動を規制。
ほとんどのスポーツを「反イスラム的」として禁じていた。現在のタリバン暫定政権は、国際社会の視線を念頭に、
男性向けのスポーツの許容などある程度の柔軟路線をアピールしている。しかし内部には、西洋文化の完全排除を
主張するグループもおり、各地で勝手に規制強化を進めている可能性が高い。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021092800718&g=int